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多くの人が青春時代に経験する友人達との夜遊び
多くの人は、十代後半から二十代前半にかけ、友人と夜遊びをしたことがあると思う。
夜遊びといっても、特に何をするわけでもなく公園で集まって話をしたり、たまり場でたまってお酒を飲む程度。
こんな単純なことではあるが、経験した人の記憶には無茶苦茶に楽しかった記憶として残ってはいないだろうか。
今回は、19~20歳の頃に散々やっていた夜遊びを37歳になってからもう一度経験して、人生について考えたことを書こうと思う。
19、20歳の頃、真夜中は僕らのものだった
僕は、高校の卒業と大学進学が決まった18歳の2~3月から20歳くらいまで、地元の新潟で散々に夜遊びをしていた。
大学生だった僕は、学校の長期休暇に合わせて帰省し、中学・高校時代の悪友たちと夜になると集まって朝までほっつき歩いていた。
友人たちは皆、大学生かフリーターかニートである。共通している点はとにかくヒマで時間が有り余っているということ。そして金がないということ。
大抵僕らは、新潟駅にあった「水の神殿」という噴水の前で待ち合わせ、自転車に乗って夜の田舎街を徘徊するんである。
途中によったコンビニで缶チューハイを数本買いこみ、近くの公園や神社でくだらない話をしながら慣れないお酒を飲んでいた。
ギャーギャー騒ぐようなことはなく(時には騒いでいたかもだが)、基本的にはトークベースの飲みだったのでそんなにうるさくはなかったと思う。
この深夜の夜遊び連合は、最初の頃は定期的に3~4人が集まっていたが、徐々に集まりが悪くなっていった。
そして最終的には、僕と友人のMの二人が残った。
中学生のころから青春を共にした夜遊び仲間のMについて
僕とMは中学1年生の頃からの付き合いだ。
このMという男は本当にどうしようもない奴で、地域で最底辺の学力偏差値だった工業高校を出席日数不足で中退した17歳からはじまり、バイト先のレジから金を盗んでクビになるなんて日常茶飯事。
自転車の窃盗が重なり累積で執行猶予付きの実刑判決を受けたり、実の母親に家庭内暴力をしていたり、パチンコで3桁に届く借金を作ったり、携帯電話の通話料約20万円を滞納して任意整理だか個人再生だかをしてブラック入りしたり、自分も浮気しまくりだったくせに彼女が浮気したら顔の骨が折れるまで殴打して相手方の両親から訴えられたり、、、
まぁ、絵に描いたようなダメ男くんのクズ野郎なんである。
同じくどうしようもない馬鹿でクズだった僕と妙にウマが合い、13歳の頃から37歳の現在に至るまで24年もつるんでいる友人だ。
中学生の頃はどちらもオタクだったので、お互いがノートに書いたマンガを見せ合ったり、カセットデッキでラジオ番組風のトークを録音して遊んだりもした。
高校2年生の12月に僕が地元のライブハウスで人生初のバンドライブをやったとき、なぜかギターが弾けないMが上手側でボリュームを0にしたモッキンバードを持ってエアギターをしていた。
このライブの録音は今でも持っているが、Mのギター音は全く聞こえない。
それなのに当時、「こないだライブやってさ」みたいな感じで周囲にドヤっていたんである。そういう奴なんだ、このMという男は。
何をしていたか覚えていない青春時代の夜遊びについて
19~20歳だった当時の僕とMは、とにかく毎晩のように夜遊びの時間を過ごした。
長期休暇中の大学生だった僕と違い、ほぼニートよりのフリーターだったMは毎晩朝まで僕に付き合っていたせいで、この時期にいくつもバイトをクビになっているはず。
それでも、本当にほぼ毎晩僕とMは何かに復讐するように夜更かしをしていた。
この頃、本当に毎晩異常なまでに楽しかったはずなのだが、Mと何を話していたのかほとんど記憶に残っていない。
印象的な出来事は覚えているが、過ごしたはずの膨大な時間に対してあまりにも残っている記憶が少なすぎるんである。「無茶苦茶に楽しかった」というフレームの記憶が残っているだけで、具体的な内容はほとんど覚えていない。
スマホやデジカメが一般的になる前、せいぜいでガラケーの時代である。もしかしたら当時のガラケーには僕とMの何かしらの思い出が残っているかもしれないが、記憶にはあまり残っていない。
覚えていることといえば、だいたい下記の感じ。
- 電気屋の開店セールでMDウォークマンが千円で売り出されて一晩並んだ
- 真冬に自転車で日本海まで行きコンビニで買った熱燗を飲んだ
- 居酒屋でお猪口にタバスコ入れて飲んだりワサビの塊に刺身を置いて寿司にして食べた
- 行くアテもなくただ自転車で徘徊しながらお話をした
- 橋の下にあった公園で缶チューハイ飲んだ
あれだけの夜遊びをしていたはずなのに、印象的な記憶はこんなものしかない(おいM、お前これ読んでたら他のエピソードLINEしてこいよな)。
19~20歳の頃というのは、何者でもない反面で何者かになりたい情熱が燃えていて、かつ今まで自分を縛っていた高校という存在から解き放たれた、いうなれば無敵の時間の連続だったように思う。
その時期に、腐れ縁でもMという気心知れた友人がいたことは、37歳の今となっては僕の大きな宝物であった。
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17年前の夜遊び時の会話を記録したテープを聞いて青春時代を思い出した
そんな数々の夜遊びを共にしたMとの会話を、自宅にあるカセットテープの山の中から発見したのが2021年7月だった。
19~20歳の頃に深夜徘徊しながらカセットテープで録音していて、17年以上聞いていなかった物だ。
約70分ほどのテープの中に、20歳になるかならないかの頃の僕とMがいた。
詳しい内容は省くが、小学生の頃に読んでいたコミックボンボンのマンガ「温泉ガッパドンバ」「OH!MYコンブ」のこととか、まじで本当にどうでもいいことしか話していなかった。
しかし、ベロベロの僕たちは最後にこんなことを言っていた。
もうすぐ20歳になるけど、大切な事、初期衝動を忘れずにね。
またそのうち、こうして録音することもあるだろ!
全てにおいて後悔だけはしないように生きていこうと思う。20歳を過ぎたおれたちよ、これを懐かしいと思ってくれ(笑)
20歳になったらなったで、また同じようなものを録音するかもしれなくね(笑)?
大人になってからじゃだめなこともあるんだよ!今こういう声明を残しとくことが重要なの!
大事な事は初期衝動を忘れすに。後悔だけはしないように生きていこうと思う。そう言っていた僕は37歳の今、初期衝動を忘れて後悔だらけの人生を歩んでいる。
このままではよくない、そう思った37歳の僕は、MにLINEを送った。
「昔散々やったあの夜遊び、もう一回やらない?」
帰ってきたLINEは次の通りだった。
「お!いいじゃん、やろうか!」
ということで、約17年越しに、僕とMは本気の夜遊びを9月のシルバーウィークに開催することになった。2021年9月19日のことだった。
※第2話「【青春時代】19~20歳の頃に友人達と夜遊びしていた無敵な想い出②」に続きます